| No.052 誰も幸せにならない特許 |
| 概要 |
・松下電器がジャストシステムを訴えている特許では、関係者は誰も幸せにならない。
・松下電器もジャストシステムも大幅なイメージダウンになった。
・個人的にはジャストシステムを応援したい。
・ジャストシステムは、よい機会なので事業ドメインを見直してほしい。
(2005/02/13)
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| 特許は発明者が幸せになるためのもの |
松下電器がジャストシステム製のワープロソフト「一太郎」を特許違反だと訴えた裁判について、大きく新聞などで報道されました。私もマスメディアから情報を見聞きしただけですが、とても驚きましたし、いくつかの疑問や意見を持ちました。今回は、この件について書きたいと思います。
私は、特許というものは発明者が幸せになるためのものだと思っています。いくつかの優秀な発明は、世の中の仕組みを変える力を持っています。すごい発明をした人は他人から尊敬され、その権利は保護されるべきです。
でも、今回の松下電器の特許および訴訟に関しては、尊敬できるような内容ではありません。松下電器という大家電メーカが中堅ソフトハウスを訴えることで自社になんの利点があるのか、また、多少の利権を手に入れてなにが嬉しいのか全く理解できません。マイクロソフトのような巨大企業に立ち向かうのなら、少しは尊敬できるのですが...。
また、ジャストシステムは訴訟について何も情報を公開していなかったことや、この程度の裁判で完敗するのは情けないと思います。優秀な技術者がたくさんいるのに、経営者や事務社員の能力の低さを示してしまったと言えます。
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| どちらもイメージダウン |
今回の訴訟では、松下電器もジャストシステムもイメージダウンになったと思います。
ジャストシステムの株価は、訴訟の影響で急落しました。特許違反にならないようにソフトウェアの修正を行うという手間も大変ですし、今後の訴訟に関する費用や手間に関しては、企業規模から見て松下電器よりもジャストシステムの方が苦しいはずです。
松下電器に対しては、一部の方々の間で不買運動が起きているそうです。やはり、一太郎やATOKには根強いファンが多いということでしょう。特許そのものに関しても、本当に相応しい(=尊敬できる)内容かというと疑問です。
どちらが大きなイメージダウンになったかと言えば、私は松下電器だと思います。
正直に言いますが、私は一太郎が2月10日に発売されることすら知りませんでした。ジャストシステムには良い宣伝になったかも知れません。ひょっとして、宣伝料だと思って、わざと裁判で負けたのだとしたら、ジャストシステムの経営陣はもの凄い策士ですね。(んなことあるわけないか...。)
個人的には、今回の件については、ジャストシステムを応援したいと思います。なぜなら、私は昔から日本語入力システムに「ATOK」を使っていますし、最近では、ATOKがリナックスに対応したことを嬉しく思っているからです。
もちろん、松下電器の製品にもお世話になっていますし、どちらかと言えば好きな企業の一つです。(私は松下幸之助氏を尊敬しています。)でも、家電は他のメーカでも我慢できますが、ATOKの代わりにMS−IMEでは我慢できません。なので、この件が解決するまでは、私も不買運動に参加します。(と言っても、しばらく家電を購入する予定はありません。)
とりあえず、どちらの企業にも良い影響はないので、早くこの問題が解決されることを願っています。
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| 日本語というドメイン |
ジャストシステムには、この訴訟をよい機会だと捉えて、事業ドメインを見直してほしいと思います。「ワープロソフト」や「アプリケーションソフト」という事業ドメインでは、強力な競争相手やリスクが多すぎるからです。
すでに、ワープロソフトはマイクロソフトのワードに完全にシェアを奪われています。また、ワープロという事業だと、今回の件のように過去にワープロ専用機を作っていたメーカから訴えられる危険性もあります。巨大なマイクロソフトと直接対決しても勝ち目はありません。将来的にジャストシステムが生き残るためには、ニッチ戦略を取るべきでしょう。
私は「日本語」という事業ドメインを設定すれば、ニッチ戦略で大きな成功が見込めると考えます。とりあえず花子だけでもあきらめて、優秀な日本語入力システムであるATOKに経営資源を集中させてはどうかと思います。ATOKだけでも十分にお金を稼げると思いますし、日本語に関する特許なら、どの企業にも負けないはずです。
将来的には、日本語に対する検索という面でも他の企業よりも強そうなので、日本語サイトだけを高速に効率よく確実に検索できるインターネットや携帯向けの検索エンジンなんてのも面白いかと思います。前にも書きましたが、グーグルやヤフーなどの検索サイトだと、検索結果から有益な日本語サイトを探すことが一苦労なのです。
ジャストシステムの今後に期待しています。
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