| No.063 ディスクレスPCの可能性 |
| 概要 |
・日立のディスクレスPCを見せてもらい、大きな可能性を感じた。
・遠隔操作型ディスクレスPCの場合、回線帯域の節約が可能。
・セキュリティの強化という面だけでなく、故障率の低減や起動時間の短縮などが期待できる。
・現時点ではまだ高価なので、より安価に提供できるように改良すべし。
(2005/09/25)
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| ハードディスクが搭載されていないパソコン |
先日、日立から発売されたディスクレスパソコン(以下、ディスクレスPC)を見せて頂きました。私は大きな可能性を感じましたので、今回はこれについて書きたいと思います。
ハードディスクを搭載しないパソコンと言われると、私なんかは大昔のパソコンを思い出してしまいます。ハードディスクの代わりにカセットテープやフロッピーディスクでOSをメモリに読み込ませて...なんて、今回のディスクレスPCは、当然ですが、このようなものではありません。
一口にディスクレスPCと言っても、大きく3つのタイプに分かれるようです。
一つめは、今回、私が日立さんから見せて頂いた「遠隔操作型」です。遠隔地に操作される側のパソコンが存在しており、ディスクレスPCを使って何らかの形でネットワーク接続して遠隔操作するというものです。操作されるパソコンとディスクレスPCを1対1で接続するため、パソコン約2台分の費用がかかるのが欠点です。しかし、遠隔地からでも、どのようなソフトウェアでも高速に動作させることが可能です。
二つ名は、「メタフレーム利用型」です。メタフレームというソフトウェアを利用して特定のサーバを複数のパソコンで共同利用して、処理結果をディスクレスPCに表示させるというものです。サーバ1台に対し複数のパソコンが接続されるため、「遠隔操作型」よりも費用面で有利なはずですが、なぜか安くはありません。高性能サーバが必要になることと、メタフレームのライセンス料が高いからでしょう。メタフレームに対応しているソフトウェアしか動作が保証されない、設定が面倒などという欠点もあります。
三つ名は、「ネットワーク起動型」です。ネットワーク経由でリナックスなどのOSをダウンロードしてから起動するというものです。OSはリナックスを利用しますので、安価にシステム構築できます。ブラウザがあれば十分だという場合なら検討すべきですが、ネットワークの速度が遅いと起動にもアプリケーションの動作にも時間がかかるという欠点があります。
どのタイプも、ローカルディスクの代わりに遠隔地の機器をネットワーク経由で上手に利用すると考えてください。また、一長一短ありますので、利用する用途をよく考えて選択すべきでしょう。
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| セキュリティの強化だけでなく |
日立の営業さんは「ディスクレスPCを導入することで、セキュリティが強化される」という説明をしていました。確かにローカルディスクが存在しなければ、データを格納することができないので、パソコンを紛失してもデータ流出という事態にはなりません。
でも、何らかの形で社内ネットワークに直接的に接続するための裏口を作らなければなりませんので、逆にネットワーク全体のセキュリティレベルは低下します。認証サーバを設置して、二重三重にパスワードや認証するための機器で保護するという説明を受けましたが、万一、社内ネットワークに進入されたら情報漏洩どころの騒ぎじゃありません。パスワードをメモしてパソコンに貼り付けて使う社員がいないとは限りませんから。
なので、私はディスクレスPCを外に持ち出して、携帯電話などで社内ネットワークに接続するという方法は検討の対象外としました。
どういう使い道を考えたかというと、セキュリティの高いパソコンという用途ではなく、遠隔地の事業所に設置する端末として採用しようか検討しています。もちろん、ネットワークは安全性の高い専用線かIP−VPNにしようと思っています。遠隔操作型の場合、ネットワークは数百キロbpsで十分なので、回線帯域の節約が可能です。パソコンの価格は高くなりますが、ネットワークの価格は下がるはずです。
また、ハードディスクが存在しないのならディスクレスPCの故障率も下がるはずです。遠隔地に設置しているパソコンが壊れにくいという点は、情報システム部門にとっては重要です。例え壊れたとしても、予備のディスクレスPCを送るだけで復旧する(はず)という点も便利です。
さらに、改良が必要ですが、電源を入れるとすぐに起動するパソコンを作ることもできそうです。専用回線ならネットワークに接続するための認証は不要になりますから。最近のデジカメだって起動時間は1秒以下ですしね。
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| カギ線コネクタ問題 |
私としては「遠隔操作型」のディスクレスPCが有力だと思います。なぜなら、問題点が費用面だけだからです。
通常のパソコン1台とディスクレスPC+操作される側のPCという2台の価格差を縮める手段として、日立さんは、操作される側のパソコンを「ブレード型」にするということを考えたようです。これはよい方法です。ディスプレイやキーボード、マウスは1台で十分になりますし、設置場所も節約できます。
さらに費用面の差をなくす方法としては、ディスクレスPCのOSをリナックスにすることや遠隔操作ソフトをフリーのVNCなどを利用すること、故障率の低減を理由とした保守費の低減などが考えられると思います。
私が勤務している会社では、パソコン1台に対して、ソフトウェアと5年間の無償保守費込みで約20万円の費用を支払っています。ここまで価格を下げるのは困難だと思いますが、ディスクレスPCが1セットあたり25万円以下になったら、遠隔地に設置している数百台のパソコンを全てディスクレスPCに更新してもいいと考えています。遠隔地のパソコンをサポートするのは大変ですから、これくらいの価格差は許容できます。
パソコンメーカの皆さん、頑張ってください。
余談ですが、通常のパソコンの記憶媒体も、将来はハードディスクではなくシリコンディスクになると思っています。ハードディスクはやっぱり「遅い」ですからね。ディスク容量だって、ビジネス用途でデータをサーバへ保存するなら、ローカルディスクは4GBあればOSとアプリを含めても十分です。最近発売された「iPodナノ」は4GBのフラッシュメモリを搭載しているのですから、もう技術的には不可能ではないと思います。
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