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No.090 競争原理
概要
・情報システムに関する発注に際して、複数の企業で競争入札をしてもらっている。
・比較しやすいように、複数の機能に分割して仕様と期限を決めて1発入札してもらうこと。
・以前からのつきあいも考慮しながら、1つの企業に集中しないように、落札企業を調整すること。
・競争入札を行うと、企業ごとに得意不得意な分野があることがよく判る。
(2006/11/19)

いよいよ発注!
 情報化に関する問題点を把握し、評価を行い、優先順位を付け、資料にまとめ、上層部へ説明を行い、方向性を確認し、具体的に仕様を定め、そしてとうとう、メーカに対して価格の提示をお願いするという段階になりました。

 入社して2ヶ月半。やっとここまでたどり着きました。他の雑務をこなしつつ、短い期間で順調に業務を進行できたと思います。当然ながら、今回は価格の提示を複数の企業に対してお願いしました。競争入札です。驚くことに、私が入社する前までは特定のメーカに丸投げして、ほぼ言い値で業務を依頼していたそうです。ダメアウトソーシングの典型的な例ですね。

 競争入札を行う場合は、いくつか注意点があります。

 まず第一に、仕様をはっきりと定めること。入札していただくメーカ間で情報のズレがあると、正しい比較ができないからです。

 第二に、入札は1回とすること。同じ仕様で何回も競争させても、価格はそれほど下がりません。営業さんの見積書を作る手間も考えてあげましょう。一発勝負で良い製品を選択するのが、全体として最も効率的だと思います。

 第三に、入札しやすいように仕様を分割しましょう。例えば、サーバとパソコンとソフトウェアの発注を行う場合は、サーバとパソコンとソフトウェア、それぞれ別々に入札できるようにしましょう。全てまとめた方が価格が安くなりそうですが、たいして金額の変化はありません。それよりも、サーバだけ、パソコンだけ、ソフトウェアだけなら入札可能な企業もありますし、サーバが得意な企業もあればパソコンが得意な企業、ソフトウェアが得意な企業もあるからです。

 第四に、締め切りははっきりと提示しましょう。何月何日までと決めないと、営業さんにズルズルと先延ばしされます。私は、締め切りに間に合わなかった場合は、価格が安くても評価を下げるようにしています。

 最後に、依頼するメーカ数は3〜5社程度が良いと思います。多すぎると、発注企業側のとりまとめが大変になるからです。当初、私は3社で競争するつもりだったのですが、どうしても参加させて欲しいという会社が多くて、仕方なく2社追加して5社で行っています。どこに依頼するかは、これまでのお付き合いの状況から、自社のことをある程度理解していただいている企業を選択すると良いと思います。

1つの企業に集中してはダメ
 現在、入札はほぼ終了して、競争結果を決定するための比較表を作成しています。比較表の項目としては、初期費用だけでなく、月額運用費、仕様の満足度、仕様を超えた良い機能、提案速度、技術者の能力、営業さんの対応、現状からの移行の容易さ、サポート体制等々を比較しています。

 単純なサーバだけ、パソコンだけの競争入札の場合、比較する項目も少ないですので、評価項目を数値化して採点して最高得点の企業を決めるなんて面倒なことはしてません。適切に○△×などで評価しています。評価にしめる価格の割合は50%ぐらいだと思います。価格が最も安い場合、他の項目が全て悪ければ落札できませんが、1つか2つぐらい悪いのなら、価格を優先します。

 ただし、現実的には一つ注意しなければならないことあります。それは、一つの企業に社内情報システムの全てを任せないことです。多すぎても困りますが、2〜3社に発注がばらけるように調整すべきです。例えば、サーバはA社、ネットワークはB社、クライアントパソコンはC社という感じです。

 本当に安くて良いものを1社が供給してくれるのなら問題ないのでしょうが、そんな理想の企業は、この世の中に存在しません。発注側にとって独占の方が楽なのですが、独占による慢心、価格の高騰、技術の陳腐化など弊害も多いのが現実です。

企業ごとの特色を理解しよう
 競争入札を行うことで、発注側には様々な利点があります。

 価格が安くなること、良い製品を導入できることは当然ですが、さらにその上で、メーカの特色を理解できると思います。サーバが得意な企業、アプリケーションが得意な企業、リナックスが好きな企業、営業と技術の境目が高い企業、サポートが得意な企業、自社製品ばかり売り込んでくる企業等々。企業の特性を理解できれば、今後の発注にも役立つと思います。

 また、たくさんの企業の方とお付き合いすることで、人間的に成長できると思います。営業さんにも様々なタイプがあって面白いですよね。

 最後に、一つだけ注意点を。入札する側の営業担当者など利害関係者と飲食など利益の提供を受けることは、厳に謹んで下さい。競争入札とは、不公平な部分が存在すると、絶対に成立しない仕組みです。メーカの営業さんは、出来レースを見抜く力を持っています。常に正しい評価で良い製品を導入するんだという態度を示さないと、ちゃんと動いてくれません。また、社内的には、場合によっては背任行為と見なされ、懲戒処分を受ける可能性もあります。

 これを防止するために、仕様を決める人と、メーカの営業さんと価格交渉する人を別にするという企業も多くあります。理想的なのですが、大企業じゃないと人的な余裕はありませんので難しいです。私が勤務している会社程度の企業の場合は、やっぱり一人で頑張るしかありませんね。大変だ。

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